エコハウス提案のポイント
T 断熱化(断熱改修)
健康で快適、省エネに暮らせる温熱環境は家の基本性能になってきています。断熱化はこれを整えるための技術。
何をもって「エコ」とするかは一律ではありませんが、基本の技術を押さえておくことで提案に幅が生まれ、効果も確かになってきます。
現在、新築では国の省エネ基準レベルの住宅が50%超と推計されています。 しかし既存住宅は95%が現行基準(H11基準)を満たしていません。また、39%は無断熱です。
そのためここでは既存住宅の断熱改修を想定し、そのメリットと手法を整理しています。(新建ハウジング・エコハウス宣言2014より)
U 見える化
快適・健康、省エネのかたちを最終的に選ぶのは住まい手です。 しかし選ぶためにはしっかりとした判断指標が必要。温熱環境は目に見えないため、原理原則を言葉で説くだけではなかなか伝え切れません。
そこで必要なのが「見える化」です。 現在はさまざまな計算ツールがあり、家の性能やエネルギー消費量、光熱費をあらかじめ示すことができます。 また建てた家の体感や実測も、快適さや省エネの「本当」を伝える重要な手法。
自らの家の性能を把握することは工務店の地力となり、暮らしの提案力を高めます。(新建ハウジング・エコハウス宣言2014より)
V パッシブデザイン
断熱・気密は人工的なものとは限りません。 その先には自然と共生する開放的な暮らしがあります。 それを実現するのがパッシブデザイン。 日本家屋を科学の目でとらえ直し、現代の建築技術で再構築する手法といえます。
地域の気候風土に適った生活の場は多様で、パッシブデザインの難しさと面白さはそこにあります。 またそれは、地域で家を建ててきた実績と培われた経験がものをいう世界です。(新建ハウジング・エコハウス宣言2014より)
W ガーデニング
庭の植栽やグリーンも、健康や快適さ、省エネへの実用が意識されるようになりました。 落葉樹が冬に葉を落として日差しを入れる、夏に葉が茂って日射を遮る、影が地面に落ちて照り返しをやわらげる。 自然の摂理にのっとった日射調整法ともいえ、都市部では緑のカーテンもよくつくられるようになりました。
庭の木々や植物に水を撒くことから始まるガーデニングは生活に潤いを与え、小さな自然は子どもの住育にもつながります。 建物と一体的に提案したい要素です。(新建ハウジング・エコハウス宣言2014より)
X 自然素材
自然素材が快適で健康にいいとはよくいわれるところで、多くの住まい手もそうしたイメージを持っています。 半面、なぜそうなのかという理由やメリットを明確に知りたいとも思っています。
顔が見える安心感、人の手で扱えるスケール感、多様な質感や色・においなど自然素材の魅力はさまざまですが、最近はその物性が次々と明らかになり、断熱化の進展とともに再評価されています。 うまく使えば室内の急激な温湿度変動をやわらげてくれるからで、ここでは主に温熱環境の側面から見た自然素材の効果を整理しています。(新建ハウジング・エコハウス宣言2014より)