暖かい住宅は体にやさしく心地いい
T 寒さが原因で亡くなる人は交通事故の3倍超
浴室での死亡事故は年間1万7000人以上(推定)。 これらは循環器系の疾患が原因と考えられています。
これは交通事故による死亡件数の3倍超という数字です。 がんの死者数は、季節による変動がほとんどありません。
このことは、冬の寒さが循環器系の疾患に影響している可能性があるということを示唆しています。
一方で、北海道や東北といった寒さの厳しい地域では、断熱性能が高い住宅が普及しており、冬の浴室での死者数が他の地域に比べて少ないというデータもあります。暖かい地域では住宅の断熱性能が低く、かえって冬の寒さが体に悪い影響を与えているということを示唆しています。(新建ハウジング・エコハウス宣言2014より)
U 室内の暖かさは血圧の上昇を抑える
温度の急激な変化に体が反応して、血圧が急激に変化することは知られています。
こうした変化が起きるため、例えば就寝中の暖かい布団の中から、室温が10℃を下回る寒い部屋に急に出たり、さらに寒い、廊下やトイレにでたりすると、急激に血圧が変化します。
グラフは部屋の暖かさが血圧に及ぼす影響を示したものです。
このように部屋の暖かさ・寒さは健康に影響があるというデータが出ています。
特に高齢者やいろいろな疾患を持っている人は、こうした変化の影響を受けやすく注意が必要です。
住宅の断熱性能を高めることでこうした健康リスクを回避できるのです。(新建ハウジング・エコハウス宣言2014より)
V 暖かい家は元気になる
暖かい部屋の効果として、体を動かすことが面倒でなく、元気になるというデータもあります。
暖かい家と寒い家とで、室内の移動歩数などを比べると、暖かい家に住んでいる人のほうが活動量が多いという結果が出ました。
高齢になるとただでさえ動くことが少なくなり、そのため運動機能が低下するという悪循環が生まれます。 部屋が寒いとさらに活動量が減って、運動機能の低下につながります。
部屋を暖かく保つことでこうした活動の維持にもつながり健康的な暮らしにも結びつきます。(新建ハウジング・エコハウス宣言2014より)
W 室温だけでは測れない快適性
室温を上げるだけであれば、ストーブやエアコンなど暖房 器具を使うことでも問題はありません。
ただ人間が感じる 温度は、単純に部屋の空気の温度だけではきまりません。 放射という熱の伝わり方があり、冷たい物体と暖かい物体があると熱が移動します。 この熱の移動墓が多いと不快に感じることが体験的にわかっています。
断熱性能が低い住宅で、暖房を使って部屋 を暖めた場合、部屋の中心近くの空気は暖まりますが、壁 や窓といった周辺部は外気の影響を強く受けて冷気を帯びたままです。
そこから熱が逃げ、暖かいけど寒気を感じるという状態になります。(新建ハウジング・エコハウス宣言2014より)